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2021年8月10日火曜日

藤井聡太2冠が豊島叡王破り最年少3冠に王手、第4局は22日

 

藤井聡太2冠が豊島叡王破り最年少3冠に王手、第4局は22日

叡王戦5番勝負第3局に臨んだ藤井聡太2冠(日本将棋連盟提供)
叡王戦5番勝負第3局に臨んだ藤井聡太2冠(日本将棋連盟提供)
  • 叡王戦5番勝負第3局に臨んだ藤井聡太2冠(左)、豊島将之叡王(日本将棋連盟提供)

将棋の豊島将之叡王(竜王=31)に藤井聡太2冠(棋聖・王位=19)が挑戦する叡王戦5番勝負第3局が9日、名古屋市の老舗料亭「か茂免」で行われ、先手の藤井が豊島を破り、シリーズの対戦成績を2勝1敗とし、史上最年少3冠に王手をかけた。第4局は22日、名古屋市の「名古屋東急ホテル」で行われる。

1勝1敗のタイで迎えたシリーズの流れを大きく左右する一番。先手の藤井が角換わりを採用した。両者が得意とする戦型。藤井対豊島戦では5局連続しての「角換わり」となった。両者とも入念な研究手だったため、序盤からハイペースで進む。

65手目、ネットで解説を務めていたプロ棋士を驚かす藤井の一手が指された。先手8四角。受けの一手だが、プロもあまり指さない新感覚の一手だった。「角使いの名手」の藤井の本領発揮だった。

昼食休憩後は難解な中盤戦が続き、両者ともペースダウン。終盤にジリジリとリードを広げた藤井が、鮮やかに寄せ切った。

初手合から6連敗だった「天敵」から直近5局で4勝1敗。3つ目のタイトル奪取へ大きく前進した。羽生善治九段(50)が持つ最年少3冠(22歳3カ月)の更新に王手をかけた。

2021年8月6日金曜日

高く厚き壁・豊島将之叡王(31)逆転で藤井聡太挑戦者(19)を降しタイに戻す 叡王戦五番勝負第2局

 

高く厚き壁・豊島将之叡王(31)逆転で藤井聡太挑戦者(19)を降しタイに戻す 叡王戦五番勝負第2局

松本博文将棋ライター
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(記事中の画像作成:筆者)

 8月3日。山梨県甲府市・常磐ホテルにおいて第6期叡王戦五番勝負第2局▲豊島将之叡王(31歳)-△藤井聡太二冠(19歳)戦がおこなわれました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 9時に始まった対局は19時5分に終局。結果は161手、大逆転で豊島叡王の勝ちとなりました。

 五番勝負はこれで両者1勝ずつのタイ。

 第3局は8月9日、愛知県名古屋市・か茂免でおこなわれます。

 豊島叡王と藤井挑戦者の通算対戦成績は豊島8勝、藤井4勝となりました。

これが豊島叡王の底力

 豊島叡王先手で戦型は角換わり。両者ともに居玉のまま早繰り銀に出ました。

 32手目、藤井挑戦者は銀取りに4筋の歩を突きます。相手の早繰り銀にはたらきかける、用意の研究手と思われる一手でした。

 豊島叡王はいったん銀を三段目に引いたあと、相手が突き越した4筋の歩に向かって反発。藤井挑戦者も飛を回って、4筋が主戦場となりました。

 豊島挑戦者が藤井陣のスキに角を打ち込んだのに対して、藤井挑戦者は自陣中段に筋違い角を打ちます。

 互いの角が再び交換になったあと、手番を握った藤井挑戦者は、今度は豊島陣に角を打ち込みます。ここからは藤井二冠の攻めが急所をとらえ、次第にヒットしていきました。

 藤井優勢で迎えた終盤の91手目。豊島叡王は相手の歩頭に銀を打つ、渾身の鬼手を放ちます。これで追い上げ、最後までわからない最終盤を迎えました。

 持ち時間4時間を先に使い切ったのは藤井挑戦者。96手目から一分将棋となりました。普通ならあわてそうなところですが、藤井挑戦者の対局姿勢は変わりません。

 続いて97手目。豊島叡王も持ち時間を使い切り、両者秒読みに。きわどい手順を織り交ぜ、豊島叡王の攻めも相当な迫力です。

 藤井挑戦者が華麗な攻防の順を見せる一方、豊島玉は端1筋まで逃げ越して、そう簡単には詰まない形になりました。もう流れはどちらが勝っても不思議ではありません。

 116手目。藤井挑戦者は金を取ります。正確無比を誇る藤井挑戦者にして、ついに疑問手が出たか。この瞬間、ついにコンピュータ将棋ソフトが示す評価値は逆転しました。

 貴重な手番を得た豊島叡王。藤井玉に迫って大逆転。ついに評価値は豊島勝勢です。藤井玉を受けなしに追い込みました。

 藤井挑戦者は最後の死力をふりしぼり、おそるべき迫力で豊島玉に迫ります。134手目、中段から飛車を打って王手。豊島叡王が少しでも対応を誤ればあっという間に頓死します。そこを豊島叡王は正確にしのぎ続けました。

 藤井挑戦者は時折中空を見上げながら、王手をかけ続けます。盤面を見つめ続け、冷静沈着は豊島叡王。勝負の帰趨は両対局者にはわかっていたのでしょう。

 160手目。藤井挑戦者は香を走って王手をかけます。豊島叡王の応手を待つ間、左手で頬杖をつき、がっかりした仕草を見せました。

 161手目。豊島叡王はしっかり歩を打って合駒します。王手をかけられ続け、4度目の合駒でした。

 王手をし始めて三十手近く。観戦者の目にも豊島玉が詰まないことが明らかになったところで、藤井挑戦者は投了。大熱戦に終止符が打たれました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『あなたに指さる将棋の言葉』(セブン&アイ出版)など。

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2021年8月4日水曜日

藤井聡太王位「暑いのは苦手」豊島将之叡王「手ごわい相手」叡王戦第2局

 

藤井聡太王位「暑いのは苦手」豊島将之叡王「手ごわい相手」叡王戦第2局

対局場で盤や駒の検分を行う豊島将之叡王(右)と挑戦者の藤井聡太2冠(左、日本将棋連盟提供)
対局場で盤や駒の検分を行う豊島将之叡王(右)と挑戦者の藤井聡太2冠(左、日本将棋連盟提供)
  • 叡王戦5番勝負第2局を翌日に控えて会場入りした豊島将之叡王(左)と挑戦者の藤井聡太2冠(右、日本将棋連盟提供)
  • 対局場で盤や駒の検分を行う藤井聡太2冠(日本将棋連盟提供)
  • 対局場で盤や駒の検分を行う豊島将之叡王(日本将棋連盟提供)

将棋の最年少2冠、藤井聡太王位(棋聖=19)が豊島将之叡王(竜王=31)に挑戦している、第6期叡王戦5番勝負第2局が明日3日、山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われる。対局を翌日に控えた2日、両者は現地入りし、対局会場の検分などを行った。

初戦を落とし、今回は先手番となる豊島は、「1局目の将棋はちょっと序盤でやや失敗してしまい、中終盤のところでちょっとなにかありそうという感触としてはあったんですが、具体的な手順の組み合わせが発見できませんでした。そういったところを修正していけたらと思います」と抱負を語った。

同時進行で、挑戦者として藤井と戦っている王位戦7番勝負第1局で快勝して以来、直接対決は同第2、第3局、叡王戦開幕局と3連敗中。「やっぱり以前から指していて、手ごわい相手だなというのはありましたし、最近の将棋もチャンスは作れているが、うまく指せていないという形。相手がどうこうというよりも、自分がうまく指せるようになっていけたらと感じています」と話した。

対する挑戦者の藤井は2年前に1度、同所を竜王戦の見学で訪れている。「対局者として来ることができ、非常にうれしく思います。対局室も初めてうかがったんですが、ここから見えるお庭の景色が素晴らしく、非常にいい対局室だなと感じました」と、感想を述べた。そのときは11月だった。今回はせみ時雨を聞きながらの、真夏の対局となる。「暑いのは苦手なんですけど(笑い)。対局室は冷房もきいているので、あしたも快適に臨めるのかなと思います」。

リードして臨む第2局だが、「挑戦者という立場なので、スコアのことは考えず、気負わず臨めればと思っています」と自然体を強調した。同時に豊島戦を意識して、「豊島叡王は本当に序~中盤の精度が高いので、こちらが対応できるかがポイントになると思う。そのうえで、最後までどちらが勝つか分からないような熱戦にできればと思います」というプランを練っている。

現在、豊島には3連勝している。「内容的にはどの将棋も押されている場面があったので、意識が変わったということはない。今回も意識せずに臨みたい」と語った。ちなみに東京五輪に関しては、「対局がかなり忙しかったこともあって、そちらはあまり観戦していないので」と苦笑いしていた。

五輪のような熱戦が繰り広げられるのか。対局の持ち時間は各4時間。3日午前9時、豊島の先手で始まる。

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